これまでユーザー車検を10回ほど受けた経験のある、アラフォー女の木葉らんです。

長期にわたってクルマを使用しない場合に、クルマの一時抹消手続きを行うことができます。
これを行う最大のメリットは、無駄な税金を払う必要がなくなることです。
クルマを所有して登録しているだけで、税金や費用がかかってしまいます。
今登録しているクルマを一旦解除したい(=これを一時抹消といいます)場合に、一時抹消の手続きをすることができます。
よく似ているのが永久抹消ですが、これは登録を永久に抹消して廃車してしまう点が異なります。
一時抹消は復活することができるので、またいつかクルマに乗るかもしれない場合に手続きをします。
その間は公道を走行することは出来ませんが、クルマを私有地に保管している間の税金は一切かかりません。
流れは次のような感じです。


正直、なんだか手続きが面倒そうだな……
そう思っている人が多いと思いますので、ここで結論を言いますと。。。
書類は数枚ありもちろん手間はかかりますが、そのお金を『無駄な税金に支払う』か『好きなことに使う』かどちらかはあなた次第。でも、やればできます!
誰でもよくわからない手続きは、面倒だと感じてしまうものです。

何をすべきか整理してみたら、意外とできてしまいます。
『3分でわかる』ように図解を多く使って解説していますので、さらっと一通り見て検討してみてください。
- この記事のポイント!
- クルマの『一時抹消の手続き』のやり方を知れば、無駄な税金は支払わずに済みます
- 必要な書類を準備して作成するまでの流れを、図解で解説してみました
- また乗りたくなったらどうすればいいのか?一時抹消からの復活する方法もここで分かります
図解『一時抹消』手続き


簡単に説明するとこういうことです。
- 一時抹消手続きの手順
- 書類を印刷して、必要事項の記入をする
- 『必要書類』とクルマの『ナンバープレート前後2枚』を窓口に提出する

窓口で受理されたら、手続きは完了です。
これで、クルマにかかる税金や費用の支払いは必要なくなります。
- クルマの税金
- 自動車税・軽自動車税
- 車検(法定費用) ➡①自動車重量税 ②自賠責保険料 ③自動車検査手数料
1-1.『一時抹消』で戻ってこない還付金
毎年5月頃に支払うクルマの税金に関して、注意する点が一つあります。
自動車税・軽自動車税は、1年分を前払いで支払っています。
- クルマの税金は前払い
- 自動車税・軽自動車税は、その年の4月から翌年3月までの1年分の税金を、前払いで支払います。
クルマを一時抹消すれば、前払いで払った自動車税は残りを月割りして還付されます。
ただし、軽自動車税の場合は還付金はありません。

軽自動車税は自動車税と違って、還付について『月割り制度』がありません。
軽自動車の税金は割と安いですが、例えば4月に一時抹消したとしても4月1日時点で登録されていれば年間の税金が必要で、5月になると納付書が届きます。
軽自動車税の場合は還付金がないため、3月末までに一時抹消手続きをしておけば、いつもは5月頃に届く軽自動車税の納付書はありません。

但し、軽自動車でも『自賠責保険』の還付金はあります!
自賠責保険は保険会社との契約ですので、月割りで還付金が発生します。
一時抹消手続きが完了したら、書類を送付して自分で還付金の申請を行います。
『軽自動車重量税』は、一時抹消ではなく永久抹消をして次の条件を満たせば還付があります。
- 軽自動車重量税の還付
- 使用済自動車が適正に解体され、解体を理由とする解体届出と同時に還付申請が行われた場合、車検残存期間に対応する自動車重量税額が還付されます。ただし、車検残存期間が1ヶ月以上ある場合に限ります。➜解体返納
1-2.『一時抹消』に必要な書類準備
自宅にパソコンと印刷機があれば必要書類が準備できるので、車検証(原本)を見ながら落ち着いて作成できます。

必要書類の印刷
もし自宅に印刷機が無い場合は、PDFファイルをSDカードやUSBメモリに保存してコンビニのマルチコピー機で印刷すれば必要書類が準備できます。
スマホ内の写真や文書をWi-Fiでマルチコピー機へ送信して、かんたんに印刷することも可能です。
スマホプリントの場合 ➜『netprint(無料)』アプリを使ってQRコードを作成し、マルチコピー機とWi-Fi接続を行います

セブンイレブンで普通紙プリント!

プリンターがなくても、コンビニでかんたんに印刷できるので問題ありません。
窓口で受け取る
複雑なことは難しくてできないという人は、直接窓口で書類を受け取り記入することも出来ます。

この必要書類の用紙は、運輸(支)局または軽自動車検査協会の窓口で配布しているので、その場で記入もOK!
できれば完成させてから提出すると、間違いも少なく早く済みます。
必要書類と準備するもの

必要書類と準備するものは以下の通りです。
必要書類 | 準備するもの |
---|---|
①車検証(原本) | ⑥ナンバープレート2枚 |
②自動車検査証返納証明書交付申請書/自動車検査証返納届出書 | ⑦申請手数料350円 |
③軽/自動車税(種別割)申告書 | |
④※申請依頼書/委任状(代理人申請) | |
⑤所有者の印鑑証明書(軽不要) |
所有者が自分以外で代理人申請する場合は、④申請依頼書/委任状も必要になります。
申告するのが所有者本人であれば、④は不要です。
⑤所有者の印鑑証明書は普通車の場合に必要で、発行から3ヶ月以内のものを提出します。
クルマの一時抹消登録が完了したら、③軽/自動車税(種別割)申告書で軽/自動車税の消滅手続きを行います。
1-3.『一時抹消』手続きの必要書類と記入例
まずは、必要書類(PDFファイル)の印刷をします。
軽自動車と普通車では書類が異なるので、注意してください。

『軽自動車用』の必要書類はコチラ
【軽自動車】の必要書類 | 軽自動車(印刷用)PDFファイル |
①軽自動車検査証 | 原本 |
②自動車検査証返納証明書交付申請書/自動車検査証返納届出書 | 軽第4号様式 |
③軽自動車税(種別割)申告書 | 第33号の4の2様式 ※複写用紙 |
※④申請依頼書(代理人申請) | 申請依頼書 |
【③軽自動車税(種別割)申告書】については、受付窓口で用紙をもらって複写用紙に書き換える必要がありますが、準備して下書きしておくと当日書き写すだけで早く完了できます。

『普通車用』の必要書類はコチラ
【普通車】の必要書類 | 普通車(印刷用)PDFファイル |
①自動車検査証 | 原本 |
②自動車検査証返納証明書交付申請書/自動車検査証返納届出書 | 第3号様式の2 |
③自動車税(環境性能割・種別割)申告書 | 第16号の43様式 |
※④委任状(代理人申請) | 委任状 |
⑤印鑑証明書 | 発行から3か月以内のもの |
①車検証(原本)

一時抹消の手続きをするということは、自動車検査証を返納(返す)ことを意味します。

クルマに車検証を所有しない状態で、公道を走行することは出来ません。
車検証を紛失・破損していることに気が付いたら、運輸(支)局または軽自動車検査協会にて再発行の手続きが必要です。
申請手数料は300円です。
道路運送車両法により、車検証を備え付けていなければ公道で運行してはならず、違反すると50万円以下の罰金が科されます
気が付いたら、すぐに車検証を再発行しましょう。
軽自動車と普通車では書類が異なるので、注意してください。
再発行に必要なもの | 軽自動車 | 普通車 |
申請書 | 軽第3号様式 | 第3号様式 |
本人確認 | × | 運転免許証など |
理由書 | × | 理由書 |
手数料 | 300円 | 300円 |
委任状 | 申請依頼書(軽自動車) | 委任状(普通車) |
△車検証 | 破損等、あれば持参 | 破損等、あれば持参 |

車検証が無い場合でも、『車両番号』や『車台番号』はわかります。
ナンバープレートに記載されているのが車両番号なので、これは問題ありませんよね。
車台番号は、車両一台ずつに割り当てられた個別の識別番号で車体のどこかに必ず打刻されています。
ボンネットのエンジンルームにあるダッシュパネルか、運転席のシートの下に打刻されています。


赤枠の部分を記入して、埋めていきます。

2021年1月より、自動車手続きの一部押印が廃止となりました。委任状も不要になる場合があります。ただし、代理人申請の場合、押印は不要でも委任状は必要になります。基本的には押印が廃止となります。
②自動車検査証返納証明書交付申請書/自動車検査証返納届出書
先ほど説明した通り、自動車検査証を返納するための申請を行います。

この申請を行い受理されると『自動車検査証返納確認書』を受け取ることができます。
再び公道でクルマを走らせる時が来たら、必ず必要な書類になるので大事に保管しておきます。
③軽/自動車税(種別割)申告書
つぎに、軽/自動車税に関して申告していきます。
毎年4月1日時点で(軽)自動車を所有している(名義人)場合は、軽/自動車税を支払わなければなりません。
新車や中古でクルマを所有した時に申告しますが、譲渡したり一時抹消や廃車するときも申請していないと課税が続きます。
忘れずに申告します。


軽自動車用も普通車用も記載内容はほぼ同じなので、車検証を準備して記入します。

税関係の手続きは、軽自動車検査協会または運輸(支)局に隣接する自動車税申告窓口で申告できます。
また軽自動車の税は、お住いの市区町村の税係でも受付できます。
※④申請依頼書/委任状(代理人申請)
クルマを所有している本人が手続きをする場合は必要ありませんが、代理人が申請する場合は別途書類が必要です。
普通車の場合は、次の委任状に記載します。

軽自動車の場合は、次の申請依頼書に記載します。

⑤所有者の印鑑証明書
普通車の場合、必要書類のなかに所有者の印鑑証明書があります。(軽自動車は不要です。)
印鑑証明書の取得方法は2つあります。
- 所有者の住所のある『市区町村』または『一部郵便局』の窓口で取得する
- コンビニの『マルチコピー機』で取得する
マイナンバーカードを所有している場合は、最寄りのコンビニで時間を気にせず取得できるので便利になりました。
あくまで所有者のものが必要になりますが、マイナンバーカードとその暗証番号を入力する必要があります。

事前に確認したうえで、コンビニへ行きましょう。
取得方法 | ①役所または一部郵便局の窓口 | ②マルチコピー機 |
---|---|---|
必要なもの | 印鑑登録交付申請書/印鑑登録証/本人確認書類 | 暗証番号を登録したマイナンバーカード |
費用(目安) | 300円 | 200円 |
時間 | 開庁時間内 | メンテナンス時以外 |
コンビニで証明書等の自動交付ができます!
セブンイレブン・ローソン・ファミリー・マート、ミニストップ・ポプラ・イオンなどの多機能コピー機で使用できます。
1-4.『一時抹消』手続きに必要なもの(書類以外)
⑥ナンバープレート2枚
クルマについているナンバープレートを取り外す場合は、プラス(+)とマイナス(-)のドライバー2本を持ってとりあえずクルマに行ってみてください。

アルミのカバーまたは封印がついてあるので、マイナスドライバーを差し込んで外します。
あとはプラスドライバーで左右のネジを外して、前方後方のナンバープレートが取り外せます。

⑦申請手数料350円
申請手数料は、1件につき350円必要です。
1-5.『一時抹消』を証明する書類

②返納証明書のところで軽く触れましたが、窓口で受け取る大事な書類があります。
『軽/自動車検査証返納確認書』は、軽/自動車検査用の返納を所有者が承諾していることを確認する書類です。
再度クルマの使用をする必要になった場合に、新規検査申請において「使用者であることを証する書面」となります。
つまりこの書類はこの後の再登録時に必ず必要になりますので、大事に保管しておく必要があります。
『軽/自動車検査証返納証明書』と『軽/自動車検査証返納確認書』は、一対で使用することになっています。

ここまでが、『一時抹消』を申請する内容です。
復活!『一時抹消』からの再登録のやり方

車検切れや自動車検査証を不携帯の場合、公道を走行することが出来ません。
それでも譲渡売買や廃車したい場合は、移動する必要があります。
また、一時抹消中のクルマを再度登録したいけど車検切れになっている場合は、再検査が必要です。
普通車なら『運輸(支)局』、軽自動車なら『軽自動車検査協会』で自動車検査(車検)をします。
目的の場所まで移動する方法は、2つあります。
- レッカー移動
- 仮ナンバー申請(臨時運行許可証を取得する)
『①レッカー移動』の場合、レッカー車を手配して移動します。
レッカー車を利用する場合、距離に応じて費用が高くなります。
どちらも費用は掛かりますが、『②仮ナンバー申請』のほうが格安で申請による手数料は750円で有効期限は最長5日間です。
2-1.仮ナンバー(臨時運行許可)申請書の概要

一時抹消からの再登録で、仮ナンバー申請する際に必要なものは3つあります。
その中でも、『②自賠責保険証』は期限切れで無効になっているはずなので、事前に保険会社と契約しておく必要があります。
公道を走行するときは自賠責保険の加入は義務なので、有効期間内であることが重要です。
仮ナンバー申請書の内容は、各自治体で独自の書面が準備されているためHPなどで確認してください。
申請書に記載する主な内容は、以下を参考にしてください。

4.運行の目的は、①車検のための回送 ②登録のための回送 ③封印取り付けのための回送 ④その他 と選択があります。
車両の販売目的などは許可されません。
5.運行の経路は、出発地(〇〇市●●)➜経由地(〇〇高速)➜到着地(〇〇運輸支局)までを事前に決めておくとよいです。
仮ナンバーを取付けて公道を走行することができるのは、申請して決めた経路のみです。
その経路以外を走行すると、違反として扱われます。
また、申請する先は所有者の住所の市区町村税の窓口です。
仮ナンバー申請に必要なもの
- 申請者を確認するための書類
➜運転免許証など - 自動車損害賠償責任保険証明書(原本)
➜仮ナンバー使用期間中、保険が有効なものに限ります - 自動車を確認するための書類
➜以下の、車名・形状・車体番号が確認できるもの、いずれか一つ(写し可)
- 自動車検査証
- 登録識別情報等通知書(抹消登録証明書)
- 譲渡証明書
- 自動車検査証返納確認書
- 通関証明書
仮のナンバープレートを2枚貸与してくれますが、タイミングによって有効期限が3~5日(土日祝含む)となってしまいます。
短期間なので、申請は当日または前日にするのがいいと思います。
まずは役所に問い合わせて、①申請の目的 ②申請すべき日 ③持ち物 の再確認をしておくほうが、ミスがありません。
- 仮ナンバー申請の概要
- 所有者の住所の市区町村で申請する
- 有効期間は3日~最大5日まで(土日祝含む)
- 手数料750円
- 自賠責保険に加入していること
- 申請時の記入経路のみ走行できる

仮ナンバーを取得することが出来たら、赤いラインのナンバープレートを取り付けます。
万が一、仮ナンバー申請の許可が下りない場合もあるので、レッカー移動も視野に入れておきましょう
2-2.再登録するなら中古新規検査
仮ナンバーを付けて車検場まで到着したら、これまでと同様にユーザー車検を行います。
一時抹消から再登録するときは、『継続検査』ではなく『中古新規検査』になります。
事前に予約が必要になりますので、忘れずにネット予約(軽自動車・普通車)を済ませておきます。
車検時に必要な書類や法定費用(重量税・検査手数料・自賠責保険は事前加入なら不要)を準備する必要があります。
ユーザー車検の受検方法については、解説した記事がありますので参考にしてください。
私の体験からだれでも分かるように詳しく解説していますので、おすすめです。
無事に車検に通ったら、新しい車検証とナンバープレートも交付されます。
仮ナンバーを取り外して新しいナンバープレートを取り付ければ、自由に公道を走行できるようになります。

これで『一時抹消』から復活!することができます。
まとめ

長期間使わない車の一時抹消手続きを行うことで、課税を停止することができます。
車検切れになった(無車検)クルマは公道を走行できません(道路車両運送法の第58条)が、逆に走行しなければそのままでも問題はありません。
ですが、一時抹消手続きをしないまま4月1日時点で登録が確認されると、1年間の軽/自動車税の納税義務が発生してしまいます。
軽自動車においては、月割りの還付はありません。
手続きの内容は手本通りにやれば良いので、自宅で必要書類を揃えて『一時抹消』しておくことをおすすめします。
再びクルマの使用が必要になったら、再登録するために中古新規検査を受けて合格すれば、今までのように行動を走行できます。

やることがいっぱいあるように思うかもしれませんが、まとめてみるとこんな感じです。

- やること内容
- 自宅で必要書類の印刷をして、記入する(一時抹消のため)
- 必要書類とナンバープレート2枚を持って、『軽自動車検査協会』または『運輸(支)局』で一時抹消手続きを行う
- 自動車検査証返納証明書を受け取り、紛失しないよう保管する
- 再登録の必要がある場合は申請日を決め、中古新規登録のネット予約を行う
- 自宅で必要書類の印刷をして、記入する(中古新規登録のため)
- 『臨時運航許可』仮ナンバー申請および中古新規登録のユーザー車検をする
②と⑥は、実際に『軽自動車検査協会』または『運輸(支)局』へ出向く必要がありますが、それ以外は自宅内で完結できることばかりです。

⑥はフル行動でちょっと大変ですが、計画的に実行すれば半日でもやれます。
その後の状況で『一時抹消』から『永久抹消』=廃車することになっても、仮ナンバー申請によって業者に引き渡すことが可能です。
また、廃車買取業者が直接保管場所まで引き取りに来ることも出来ます。

手続きはいずれ行う日がやってきますので、後回しにせずチャレンジしてみてください。

