これまでユーザー車検を10回ほど受けた経験のある、アラフォー女の木葉らんです。

ユーザー車検を受けて不合格だった場合、整備等を行った後に再検査をします。
不合格の原因は、検査時の操作ミスによるものや、車の不具合、バルブ切れなど様々です。
その日のうちにリカバリできればいいのですが、一旦整備工場に持ち込まなければならなくなった場合は、再検査が翌日以降になってしまうことがあります。
そんな時に発行するのが、『限定自動車検査証』です。

これを持っていたらどんなメリットがあるのですか?

申請した日を含めて15日間は、車検に合格してない状態でも公道を走行することを許可してくれます。

車検の有効期間が切れてしまったら、公道を走行できなくなるはずでしたよね?
この『限定自動車検査証』を持っていたら、期間を過ぎても公道を走行できるのでしょうか?

いいえ、有効期間を過ぎた場合はダメです。
これはよく勘違いする人が多いので、しっかり理解しておいてください。
この記事で分かること
- 限定自動車検査証が必要な時はどんな時か分かります。
- よく勘違いされてしまう、車検の期間が延びるという理解は間違いです。
- 限定自動車検査証の発行方法についてわかります。
限定自動車検査証の正しい理解|有効期間に注意


車検の有効期間が満了する日が過ぎてしまうと、公道を走行できなくなります。
この原則は変わりません。
1-1.間違えやすい考え方|車検切れは回避できない

限定自動車検査証を持っていると、車検に合格してない状態でも15日間公道を走行できるのですが・・・
車検の有効期間が過ぎてしまった時点で、車検切れになってしまいます。
よく勘違いされがちなのですが、車検の有効期間が延長される、という意味ではありません。

車検切れになったクルマは、公道を走行できないため新たな続きが必要です。
①仮ナンバー申請をする(臨時運行許可証を取得する) ②レッカー移送
この2つです。
①仮ナンバー申請をする
市区町村の役所で仮ナンバー申請をして、自動車臨時運行許可申請書を作成します。
申請書の内容は、以下を参考にしてください。

申請による手数料は、750円必要です。
公道を走行できる期限は3~5日間で、短い期間しかありません。

申請の際に必要なものがあるので、準備が必要です。
また、自賠責保険の有効期間内であることが重要です。
仮ナンバー申請に必要なもの
- 申請者を確認するための書類
➜運転免許証など - 自動車損害賠償責任保険証明書(原本)
➜仮ナンバー使用期間中、保険が有効なものに限ります - 自動車を確認するための書類
➜以下の、車名・形状・車体番号が確認できるもの、いずれか一つ(写し可)
- 自動車検査証
- 登録識別情報等通知書(抹消登録証明書)
- 譲渡証明書
- 自動車検査証返納証明書
- 通関証明書
②レッカー移送
レッカー車を手配して、車検が行われる車検場か整備工場などに移動します。
レッカー車を利用する場合、距離に応じて費用が高くなります。

①不合格になった項目だけ再検査できる

それなら、何のために限定自動車検査証を発行するのですか?どんな意味があるのでしょうか?

一番大きな意味としては、不合格になった項目だけ再検査すればよいという点です。
例えば不合格になった検査がサイドブレーキ検査だけだった場合は、発行した日を含めて15日間は、サイドブレーキ検査だけを再検査して合格すれば良いことになります。
他にもフットブレーキ検査やヘッドライト検査を行って合格している場合、再度行うのは無駄ですよね?
無駄な検査は省くために、限定自動車検査証の交付申請をして発行しておくのです。
ちなみに、15日間は土日祝などの検査場が休みの日も含まれています。
限定自動車検査証を発行しておくと、 発行した日を含めて15日間であれば不合格になった項目だけを再検査すればよい。
もし、限定自動車検査証を発行していなかった場合は、後日再検査するときにはじめから検査し直すことになります。
②再検査は予約する必要はない
有効期間内で検査場の検査時間内であれば、いつでも再検査ができます。
また、事前に再検査する日の予約をする必要はありません。
再検査コースに並んで、検査官に再検査する項目を伝えます。
無事に合格すれば検査表に記録して、窓口で車検証が交付されます。

再検査する項目が少ない場合は、すぐに終わりそうですね。

はい、5分~10分もあれば終わるでしょうね。
すべて合格になったら窓口に書類一式を提出して、新しい車検証を受け取って終わりになります。
1-2. 限定自動車検査証の発行|入場回数制限と手数料

普通車と軽自動車では、検査手数料が違います。
①再検査の検査手数料|限定自動車検査証の提出
継続検査の場合、再検査手数料は限定自動車検査証を提出するかしないかで料金が変わります。

普通車の再検査手数料
- 限定自動車検査証の提出がある場合、1,300円
- 限定自動車検査証の提出がない場合、1,800円(通常かかる検査手数料)
軽自動車の再検査手数料
- 限定自動車検査証の提出がある場合、1,200円
- 限定自動車検査証の提出がない場合、1,400円(通常かかる検査手数料)
普通車の場合は500円、軽自動車の場合は200円安くなります。
限定自動車検査証がある場合は、不合格になった項目だけの検査なので、手間が減る分検査費用が抑えられています。
②検査場への入場回数制限について|公平性と効率

再検査できる回数は2回までです。
受検機会の公平性と効率的な業務運営を図るため、1回の検査申請で検査コースに入場できる回数は、検査当日の検査時間内において、初回の検査(カウント1回)と再入場(再検査2回)を合わせて 3 回までとなります。
引用元:検査コースへの入場回数制限について - 軽自動車検査協会 -

さすがに、当日3回以上の再検査はできないのでしょうか?

いいえ、4回目からは限定自動車検査証の交付を受けて検査手数料を払えば可能です。
なお、初回の検査を含めて3回を超える場合(4回以上の場合)で、検査当日に再入場する場合は、限定自動車検査証の交付を受け、検査手数料を納付していただければ、再入場が可能です。
引用元:検査コースへの入場回数制限について - 軽自動車検査協会 -

なるほど。料金の追納だけでなくて、限定自動車検査証が必要になってくるのですね。
繰り返しますが、限定自動車検査証がない場合は、最初から検査し直す必要があります。
③再検査しても通らない場合|廃車する

何度再検査しても合格にならない場合は、廃車することも考えてみましょう。
廃車(=永久抹消)する際には車検証が必要になるのですが、限定自動車検査証を代わりに提出することができます。
再検査が通らない状態では車検証が手に入りませんが、永久抹消するなら完全にクルマを解体してしまうため、検査に合格する必要はありません。
つまり、『限定自動車検査証』が使えるということです。
車検の有効期間が過ぎてしまうと車検切れになり、レッカー車を準備することになります。
手続きをする際には、公道を走行できる期間をしっかり守って廃車を行いましょう。
必見!ユーザー車検したけど通らない時【廃車で還付金が戻ってくる方法】
まとめ|限定自動車検査証は車検切れを回避できない


限定自動車検査証についてのまとめです。
限定自動車検査証とは
- 不合格になった検査項目だけを、予約なしで再検査できます。
- 有効期間は、発行日含めて15日間です。
- 車検の有効期間が延長できるわけではありません。
- 検査費用が、通常より数百円ほど安くなります。

車検の有効期間内であれば、再検査になっても行動を走行できます。
限定自動車検査証を発行するための費用はかからないので、窓口で申請しておきましょう。
もし検査で不合格になったら、車検の有効期間内に整備して再検査を行い合格することが理想です。
限定自動車検査証の発行があれば不合格になった項目だけを再検査しますが、発行していないと一から検査のやり直しになります。
ここで車検の有効期限と限定自動車検査証の15日間の関係について、混同しないようにしてください。
限定自動車検査証を発行してもしていなくても、車検の有効期間は変わりません。

整備の遅れなどで万が一車検切れになってしまった場合は、公道を走行できないため新たな続きが必要です。
①仮ナンバー申請をする(臨時運行許可証を取得する) ②レッカー移送
仮ナンバーの使用期間は3~5日と短いので、申請して短期間で車検に合格する必要があります。
有効期間内に車検に合格するためには、早めに車検を受ける準備をしておくことが重要です。

事前に計画を立てて車検を受けましょう。
\いつから車検が受けられるのか確認しておきましょう!/
-
-
【事前準備編】はじめてのユーザー車検|基礎講座2
続きを見る